私が20代の頃に仕事中におこした事故の話です。その頃私は外国人を工場に派遣する会社に働いていました。
私が担当していた工場はコンビニやスーパーで売られているお弁当を製造している工場で、24時間365日稼働している工場でした。外国人たちの中には日本語が上手な方も多いのですが、話せない方もおられたのでその方たちのために通訳に行ったり、病院へ連れて行ってあげたり、行政の書類の手伝いなどをしていました。
担当していた工場は3つあり、社車で1日中その3つの工場を行ったり来たり忙しくしていました。時間もばらばらで朝早く夜遅くまで働いている時期もありました。そのせいもあり私はバック中に後方確認を怠り、軽くほかの車や塀にぶつけることが5年間の勤務の中で3回もありました。
その3回の事故のせいで、他の社員はステップワゴンやアルファード、エスティマなどいい車に乗っていたのに、私は古いトヨタのタウンエースという車に乗っていました。
そんな軽い事故は会社の保険などでまかなっていたし全く問題はなかったのですが、それよりも大きな事故を私の不注意のせいで引き起こしてしまいました。ある一つの工場で出勤確認をしていたところ、他の工場から私の携帯に電話が入り出勤していない社員がいる、との連絡があったのです。
私は直ぐにその出勤していない人に電話をしたのですがつながらず、急いで謝るためにもその工場へ向かいました。私がいた工場から30分ほどにあるまた別の市にある工場で、混んでいたらもっと時間が掛かってしまうと思い、いつも使っている道とは別の道を使い急ぎました。
その道は線路と平行に走っている道で、交差点で線路に入り通る道路が交差しているのですが、私は当然線路へ入っていく道路のほうが一旦停止するのだろうと思い全くスピードも落とさず走り抜けようとしました。その瞬間、バンッと線路を横断する車と衝突してしまったのです。
40kmは出ていたと思います。結構な衝撃でした。
ぶつかった瞬間相手の車が絶対に悪い、相手の車が一旦停止をしていなかったからだ、と思っていました。
しかし、相手の車から降りてきた人が、「一旦停止の看板みなかったんか」と怒鳴ってきたのです。私はどっちが、と言おうと思ったのですが一旦停止の止まれ!の看板は私が通っていた道路にあったのです。道路にも止まれ!と書かれており、見落としていたのは私だったのです。
線路に入る道路には信号があり青信号で相手側には全く否はありませんでした。100パーセント過失は私にありました。相手の人はすぐに警察を呼びました。私は保険会社と自分の会社に連絡し、私が行こうとしていた工場へはほかの社員が対応してくれました。
その当時ドライブレコーダーもない時代で省察は私たちの話や、タイヤ痕、車の破損状況からスピード違反もあったかなどを調べていました。相手はむち打ちになったかもしれないから、と一応病院へ行くとのことでした。
それ以降相手側への対応は会社と保険会社がすべて対応してくれ、私は全く何もしませんでした。社長はむち打ちになってしまった相手側へお見舞いなどきちんとした誠意ある対応をしてくれ、大問題にはなりませんでした。
私自身は無傷で病院へ行く必要もなかったのですが、車は前がぐっちゃり破損してしまい廃車になりました。業務上の事故とはいえ、会社には多大な迷惑をかけてしまいました。事故の原因は私の思い込み、慌てていたことだと思います。
それ以降少しの間は自転車で勤務していましたが、運転へ戻ってからどんな時も慌てない、急がないことに気を付けています。